「子どもが靴を履くたびに靴擦れしてしまう…。どうすれば痛みを防げるの?」「靴選びで気をつけるポイントってあるの?」そんな悩みを抱えている親御さんも多いと思います。
実は、子どもの靴擦れを防ぐには、靴のサイズだけでなく素材や形状、履き方まで含めて見直すことが大切です。
この記事では、子どもが靴擦れを起こす原因や、日常でできる予防法、痛みを和らげる応急処置、そして靴選びで失敗しないための具体的なポイントについて詳しく解説します。

子どもの靴擦れが起きる原因とは?

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子どもが「靴が痛い」と言い出すと、多くの親は驚きと戸惑いを感じると思います。まだ小さな足に起きる靴擦れは、見た目以上に子どもにとってつらいものです。皮膚が薄くて敏感な子どもの足は、大人以上に靴の影響を受けやすく、少しの違和感が傷や水ぶくれに繋がることも少なくありません。

靴と足の摩擦が引き起こす皮膚ダメージ

靴擦れの主な原因は、靴と足がこすれ合うことで発生する摩擦です。特に歩くたびに同じ箇所がこすれ続けると、皮膚が炎症を起こし、赤みや水ぶくれができることがあります。子どもの足は成長途中で柔らかく、表皮も薄いため、こうした摩擦による影響を受けやすい状態にあります。

サイズが合わない靴による圧迫とズレ

サイズが大きすぎる靴では足が靴の中で動きすぎてしまい、逆に小さすぎる靴では強く圧迫されるため、いずれも靴擦れのリスクが高まります。子どもの足は3ヶ月で0.5〜1cmほど成長することもあるため、購入当初は合っていた靴でも、しばらく経つと摩擦を生む要因になることがあるのです。

裸足で靴を履くことはNG

「ちょっとそこまでだから」と裸足のまま靴を履かせることもあるかもしれませんが、これも靴擦れのリスクを高める行為ですので絶対にNGです。素足は汗をかきやすく、靴の内側との摩擦が大きくなるため、皮膚がすぐにダメージを受けてしまいます。特に夏場などは靴の中が蒸れやすく、より症状が悪化しやすくなります。

靴擦れを防ぐための靴選びのポイント

靴擦れ対策の第一歩は、子どもの足に合った靴を正しく選ぶことです。単に「サイズが合っているか」だけではなく、足の形状や素材、歩行時の感覚なども含めて慎重にチェックすることが重要です。

足の長さだけでなく幅・厚みも見る

子どもの足は個人差が大きく、同じサイズでも足幅が広い子や、甲が高い子もいます。とくに女の子は足がふっくらしていて幅がきつくなりがちですし、男の子は逆に細身で緩く脱げやすい傾向があります。そのため、単なる「サイズ○○cm」ではなく、実際に足を測定してフィッティングを行うことが大切です。

試し履きで「歩き心地」まで確認する

お店で靴を試すときは、単に履かせてみるだけでなく、実際にその場で数歩歩かせてみると良いでしょう。子どもの動き方に合わせて、靴が足にしっかりフィットしているか、脱げやすくないか、足が靴の中で滑っていないかを確認します。歩きにくそうにしていたり、表情に違和感がある場合は見直しが必要です。

成長に応じて定期的にサイズを確認する

子どもの足は1年で最大2cm近く成長することがあります。サイズアウトした靴を履き続けると、足の変形や靴擦れの原因になります。3〜4ヶ月ごとに足のサイズを測り、靴が適正なサイズかどうかを定期的に見直す習慣を持ちましょう。大きめの靴を買って「長く履かせたい」という気持ちも分かりますが、足の健康にはフィット感が何より大切です。

靴底の柔軟性とインソールの厚みも要チェック

見落としがちなのが、靴底や靴敷きの硬さです。理想は、子どもが歩く際に自然に曲がる柔軟性を持っている靴。硬すぎる靴は足の動きに合わず、無理な力がかかって摩擦を生みやすくなります。また、インソールには適度な厚みがあり、衝撃を吸収してくれるものが安心です。靴の見た目やブランドだけでなく、こうした構造面にも注目しましょう。

靴擦れを防ぐためにできる日常の工夫

子どもの靴擦れは、靴選びだけでなく日々のちょっとした配慮でも予防することが可能です。外出時の習慣や履き方、靴下の工夫など、毎日の中でできる対策を知っておくと、未然にトラブルを防げるようになります。

厚めの靴下で摩擦を軽減する

素足や薄い靴下で靴を履くと、摩擦の負担が直接足に伝わりやすくなります。特に夏場は汗をかきやすく、肌がふやけた状態になるとさらに摩擦に弱くなります。そのため、足首までしっかり隠れる厚めの靴下を履かせることで、クッションの役割を果たし、摩擦を和らげることができます。通気性のよい素材を選べば、夏でも蒸れを防ぎながら快適に過ごせます。

裸足で靴を履かせない習慣をつける

「ちょっとそこまで」だからと裸足で靴を履かせてしまうと、足が靴の中で滑りにくくなり、その分皮膚が靴に直接こすれてしまいます。このような状態では、少し歩いただけでもすぐに靴擦れを起こしてしまうことがあります。短時間の外出でも、必ず靴下を履かせるようにしましょう。

新しい靴は少しずつ慣らす

新品の靴は素材が硬く、足になじむまで時間がかかる場合があります。いきなり長時間履かせるのではなく、まずは短時間から少しずつ慣らしていくことで、靴擦れを防ぎやすくなります。初日は家の中で試し履きをし、その後近所の散歩などで少しずつ使用時間を延ばすと、足に負担をかけずに済みます。

靴擦れ・水ぶくれができてしまった時の対処法

靴擦れ・水ぶくれができてしまった時の対処法

どんなに気をつけていても、成長期の子どもの足は変化が激しく、靴擦れができてしまうこともあります。ここでは、もし靴擦れや水ぶくれが起きてしまった場合の正しいケア方法をご紹介します。

水ぶくれは破かず自然治癒を優先する

水ぶくれができたからといって、焦って破くのは避けてください。中の液体には皮膚を修復するための成分が含まれており、破いてしまうと治りが遅れるうえ、細菌感染のリスクも高まります。できるだけ患部を刺激しないよう、靴を履かずに安静にさせることが望ましいですが、どうしても外出が必要な場合は、厚めの靴下やクッション性のある靴を選び、患部への負担を減らしましょう。

破けた場合は清潔を保ち、皮膚を丁寧に処理

万が一、水ぶくれが破れてしまった場合は、まず流水で丁寧に洗い流し、清潔なガーゼやピンセットなどで余分な皮膚を取り除きましょう。アルコールなどでの過度な消毒は、治癒に必要な体液まで洗い流してしまうことがあるため、必要以上の処置は避けたほうが安心です。洗浄後は、傷を乾燥させずに保護できる絆創膏などでしっかりと覆ってあげましょう。

ハイドロコロイド成分の絆創膏を活用する

より早く、かつきれいに治したいときは、「ハイドロコロイド」配合の絆創膏を活用するのがおすすめです。この成分は傷口を適度な湿度に保ち、体の自然治癒力を引き出してくれる働きがあります。いわゆる「モイストヒーリング」によるケアができるため、乾燥によるかさぶたやかゆみを防ぎながら、きれいに回復が見込めます。

化膿した場合は早めに皮膚科を受診

靴擦れが悪化し、膿が出るような状態になってしまった場合は、自己処置に頼らず専門の皮膚科を受診しましょう。痛みが引かない、赤みが広がるなどの症状が見られたときも注意が必要です。放っておくと傷跡が残ってしまうこともあるため、早めの対応が何より重要です。

まとめ|靴擦れは「靴が合っていない」というサイン

子どもが靴擦れを起こすのは、靴が成長に合っていないサインであることがほとんどです。この記事で紹介したように、サイズや素材だけでなく、履き方や靴下の選び方ひとつでも靴擦れを防ぐことができます。

足は子どもの体の土台です。その足に合わない靴を履かせ続けることで、将来的に姿勢の崩れや歩行トラブルにつながることもあります。成長に合わせたサイズの見直しと、日常のちょっとした習慣の積み重ねが、子どもの足の健康を守る第一歩となります。

新しい靴を選ぶときには、サイズ・フィット感・靴底の柔らかさに目を向けるだけでなく、試し履きや履き慣らしの時間を丁寧に設けてあげましょう。そして、もし靴擦れが起きてしまったときには、焦らず丁寧なケアで早めに対処することで、再発防止にもつながります。